This column describes a few testing terms mentioned in this issue in Japanese. It is designed to help our Japanese readers follow the English articles more easily, and also help non-Japanese learn to use Japanese testing terminology more appropriately. |
test washback
測定に利用するテストの適切さを判断する指標として、一般的にいくつかあげられるものの中に、そのテストの波及効果(test washback )があります。テストの波及効果とは、そのテストが指導や学習に与える影響のことを言います。その影響は、望ましいものもあればそうでないものもあるとされています。例えば、日本国内においては大学入試の存在が、高校生の学習スタイルや学校のカリキュラム、教師の意識にどのような影響を及ぼしているかといった研究が進められています。
generalizability
測定に利用するテストの適切さを判断する指標として、一般的にいくつかあげられるものの中に、そのテストの信頼性(reliability)があります。「generalizability theory」とは、日本語では「一般化可能性理論」と言われ、テストの信頼性を測る方法のひとつとされています。特に、英会話など、単純な正解・不正解だけでは判断できない内容を人が評価する際の信頼性を測るのに有効とされています。例えば、複数の評価者がいる場合、人によって厳しくなったり甘くなったりしていないかということを、この「一般化可能性理論」を使って検討します。また、そのテストの信頼性をより高くするために、どういった項目で何人ぐらいの評価者が必要なのかといったことを検討することもできます。
test validation
測定に利用するテストの適切さを判断する指標として、一般的にいくつかあげられるものの中に、そのテストの妥当性(validity)があります。テストの妥当性とは、テストが測ろうとしているものを本当に測っているかどうかという指標です。妥当性の種類としてはいくつかありますが、例えば、学期末に行われるリスニングクラスの学習効果を測定する試験において、英語を聞いて答えるという問題がない、または、授業でまったくカバーしていない内容が問題になっている、といった場合、そのテストの内容に関して妥当性が低いということになります。その妥当性を検証することを英語ではvalidationと言います。
参考文献
金谷 憲. 2003.『英語教育評価論』河源社
吉田 寿夫. 1998.『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』北大路書房
[ p. 21 ]